情報数学 I

第二回: 命題と論理式

Martin J. Dürst

duerst@it.aoyama.ac.jp

O 棟 529号室

テュールスト マーティン ヤコブ

http://www.sw.it.aoyama.ac.jp/2005/Math%20I/lecture2.html

AGU

© 2005 Martin J. Dürst 青山学院大学

今週の目的

授業の位置づけ

先週からの質問

ノートパソコンが必要か:
必要ありません。頭と紙・鉛筆でやります。
教科書・参考書は?
教科書はない。参考書はいくつかあるが、まだ評価中。
C と Java の真理値の取り扱えの違え?
C の場合、整数の 0 は「偽」と相当で、0 以外の整数 (特に 1) は「真」と相当。真理値に整数の型が使われる。

Java の場合、「真」は true で、「偽」は false で、整数の型 (int) と真理値の型 (boolean) は無関係。

論理演算などの情報テクノロジーでの役割

モデル化

命題

(proposition 又は statement)

正しいか正しくないかが客観的に決められる文。

命題は正しいものでも正しくないものでも良い。

命題ではないのは主観的な記述、質問、一部が決定されてない、代名詞や変数を含む@@など。

命題の真偽

命題は正しいか正しくないかである。

「正しい」は「真」(しん、true) ともいって、1、T や ⊤ とも書く

「正しくない」は「偽」(ぎ、false) ともいって、0、F や ⊥ とも書く

真理値は「真」と「偽」からなる。

真理演算

論理演算子は一つ以上の命題から複合命題を作る。

一番よく使われる基本的な論理演算子は次:

論理積 (conjunction)

二つの命題 AB があるとすると次の命題が作れる: A かつ B (A and B)

これは「AB」と書く。A·BA B と書くこともある。

ABA とも B とも真の場合だけ真、そのほかの場合は偽。

真理表で表すと次になる。(先週の宿題の回答)

A B AB
T T T
T F F
F T F
F F F

論理和 (disjunction)

A 又は B」 (A or B) は AB と書く。A+B と書くこともある。

ABA とも B とも偽の場合だけ偽、そのほかの場合は真。

真理表で表すと次になる。(先週の宿題の回答)

A B AB
T T T
T F T
F T T
F F F

論理否定 (negation)

[A ではない」(not A) は ¬A と書く。A', A, ~A と書くこともある。

¬AA が真の場合に偽、偽の場合に真。

真理表で表すと次になる。

A ¬A
T F
F T

論理式の構成

論理演算子と命題 (変数) で論理式が作られる。

例: (A ∨ (¬B)) ∧ C

優先度と括弧の省略:

演算子に優先度が付いている。優先度の高い順から適用される。括弧は優先度が合わない時だけ必要。

論理演算子の優先度は「¬」が「∧」より高く、「∧」が「∨」より高い。

論理式の評価の例

例: (A ∨ (¬B)) ∧ B

B) の括弧が必要ない: (A ∨ ¬B) ∧ B

真理表を使った評価

A B ¬B A ∨ ¬B (A ∨ ¬B) ∧ B
T T F T T
T F T T F
F T F F F
F F T T F

命題論理の性質

  1. 同一律: AA = A, A ∨ A = A
  2. 交換律: AB = BA, AB = BA
  3. 結合律: (AB) ∧ C = A ∧ (BC), (AB) ∨ C = A ∨ (BC)
  4. 分配律: (AB) ∧ C = (AC) ∨(BC),
    (AB) ∨ C = (AC) ∧ (BC)
  5. 吸収律: A ∧ (AB) = A, A ∨ (AB) = A
  6. 二重否定: ¬¬A = A
  7. 排中律: A ∨ ¬A = T
  8. 矛盾率: A ∧ ¬A = F
  9. ド・モルガンの法則: ¬(AB) = ¬A ∨ ¬B, ¬(AB) = ¬A ∧ ¬B

性質を使った式の変更 (簡略化)

(A ∨ ¬B) ∧ B

真理表から論理式へ

次の真理表 (論理関数) を考える:

A B ?
T T T
T F F
F T T
F F T

この真理表に相当する論理式は何でしょうか。

標準形

選言標準形: 変数の積の和

連言標準形: 変数の和の積

標準形の性質:

標準形の作り方

宿題