情報数学 I

第十一回: ビット毎演算、述語論理

Martin J. Dürst

duerst@it.aoyama.ac.jp

O 棟 529号室

http://www.sw.it.aoyama.ac.jp/2006/Math1/lecture11.html

AGU

© 2006 Martin J. Dürst 青山学院大学

今日の予定

宿題について

期末試験について

基数変換

n 進数から 10 進数: それぞれの桁の値と桁の重みの積の和

10 進数から n 進数:

変換したい数を最初の商にして、繰り返し商を n で割って、余りを最下位の桁にする

23 = 11×21 + 1×20 = 5×22 + 1×21 + 1×20 = 2×23 + 1×22 + 1×21 + 1×20 = 1×24 + 0×23 + 1×22 + 1×21 + 1×20 = 10111

余り 結果の回の桁
23 11 1 1
11 5 1 11
5 2 1 111
2 1 0 0111
1 0 1 10111

n 進数から m 進数:

情報テクノロジーでよく使う基数

基数 英語と略 (形容詞) 用途、使用理由
2 binary, bin 論理と回路の基本
8 octal, oct 2 進数の短縮、最近使用が少ない
10 decimal, dec 人間用
16 hexadecimal, hex 2 進数の短縮、1 バイト (8 ビット) を2 桁で表現可能

冗談の宿題

Q: Why do computer scientist always think Christmas and Halloween are the same ?

質問: なぜで情報テクノロジーの専門家はクリスマスとハロウィーンをいつも誤解するか。

もう一つの冗談

質問: 情報テクノロジーで還暦は何歳か。

よく使われるビット毎演算

データ型によって 8 ビット (1 バイト)、16 ビット、32 ビット、64 ビット

ビット毎演算の用途:

他のビット演算

ビット演算で足し算

一桁の足し算
0 1
0 0 1
1 1 10

記号論理

(symbolic logic)

命題の制限と述語

各々の事実は別物として表わされてる

例: 今日は晴れ、明日は晴れ、明後日は晴れ、2 が偶数、5 が偶数

「今日は晴なら明日も晴れ」とか「2が偶数なら3が偶数ではない」のは書けますが、「ある日が晴なら次の日も晴れ」とか「x が偶数なら x+2 も偶数」のは書けません。

述語の例

晴 (今日)、 晴 (明日) 、偶数 (2)、偶数 (5) 等

述語によって以前書けなかったものが書けるようになる:

晴 (x) → 晴 (x の次の日)

偶数 (x) → 偶数 (x+2)

述語は性質とか関係を表す

述語は命題と同じように真か偽であることもあるが、命題と違って未定であることもありうる。

一個の述語が未定であってもそれを含む論理式は未定ではないこともある。

述語と関数・関数

関数の例: father (x) = y

述語の例: Father (y, x)

関係と述語は非常に近い概念で、内容より分野の違いが強い

全称限量子

(全称記号、universal quantifier)

ある論理式がある変数の対称とする全ての値 (固体) に対して記述したいときに使う。

記号の由来: "for All" の A を逆さまにした

例: ∀x: P (x)

存在限量子

(存在記号、existential quantifier)

ある論理式がある変数の少なくとも一つの値 (固体) について記述したいときに使う。

記号の由来: "there Exists" の E を逆さまにした

例: ∃y: P (y)

量記号の組み合わせ

素数の数が無限である:

x: ∃y: (y > x ∧ 素数 (y))