プログラミング基礎 II

第十回 (2007年12月20日)

分類

http://www.sw.it.aoyama.ac.jp/2007/PB2/lecture10.html

Martin J. Dürst

duerst@it.aoyama.ac.jp

O 棟 529号室

© 2006-7 Martin J. Dürst 青山学院大学

今日の予定

• 先回の復習
• 分類
• 例: 複数の著者の綺麗な出力
• 演習: 本の割引

先回の復習

• document() 関数で「予備」のデータファイルが使える
• それにより、複数の文書が組み合わせ可能
• 種類ごとに文書に名前空間を使った方がよい
• 変換内で名前空間を正確に区別しないといけない
• <xsl:variable> で変数が作れる
• 変数の主な用途は:
  • 複数の文書の組み合わせ
  • 変換の鮮明な書き方
  • 変換の効率化

演習についての質問

質問: 出力に <td><td>3</td></td> などができる。なぜですか。

答え: テンプレートを適用するうちに複数回 <td>...</td> に「遭遇」した。

例:

<td><xsl:apply-templates select='@number'/></td>
...
<xsl:template match='@number'>
  <td><xsl:value-of select='.'/></td>
</xsl:template>

解決策: どちらかの <td> と </td> をとる

参考: <td><xsl:value-of select='@number'/></td> でも書けます。

分類の目的

• 条件に応じて別の処理・出力をしたい
• 例:
  • 条件による出力
  • 割引の計算
  • 最後の要素の特別扱い

自然な分類

• 述語や mode を使えば、自然に分類が可能
• 例:

  <xsl:apply-templates select='book[position()!=last()]'/>
  <xsl:apply-templates select='book[last()] mode='last-book'/>

• 自然な分類を優先した方がいい (XSLT の特徴を生かす)
• 分類が多い場合に限界がある
• 使えない場合がある

明記的な分類、その一: <xsl:if>

• 書き方: <xsl:if test='条件'>結果</xsl:if>
• 使い方: テンプレートの一部又は変数の値の一部
• 結果: 条件が成り立つとき、中身が結果
• 特徴: 条件が成り立たない場合結果はなし; else みたいな部分がない
• 例 (割引の計算): <xsl:if test='@number > 100'>20</xsl:if>

明記的な分類、その二: <xsl:choose>

• 書き方: <xsl:choose> の中に一つ以上の <xsl:when test='条件'> の後必要に応じて <xsl:otherwise>
• 使い方: テンプレートの一部又は変数の値の一部
• 結果: 最初に条件が合っている <xsl:when> の中身が結果
• 特徴: どの <xsl:when> の結果も合わなかったら <xsl:otherwise> の中身が結果; それもなかったら結果は空
• 例:

  <xsl:choose>
    <xsl:when test='@number > 100'>20</xsl:when>
    <xsl:otherwise>0</otherwise><!-- 割引なし -->
  </xsl:choose>

演習 1

(提出不要)

変換ファイル ordersDiscount.xsl の割引の計算を <xsl:if> から <xsl:choose> に変更する。

注意点:

• order.xml を部数が多くなるように変換
• 複数の <xsl:if> の変わりに一つの <xsl:choose> を使う
• 条件をできるだけ簡単に書く

演習 2

提出: 12月30日 (日曜日) 22:00 までに Moodle に投稿

本ごとの郵送料を計算する。注文のリストにそのための新しい欄を作る。本の全体の値段に足す。

ヒント (Test-Driven Development):

• テストのためのデータを作る (同じ本を別々に注文してもよい)
• 条件を構造的に分割する (例: 大まかに値段で分割; その中で本の数で分割)
• 少しずつ追加し、途中の結果をよく確認する