後期試験 ・ 2011 年 1 月 21 日 2 時限実施 ・ ページ
授業 科目 |
情報数学 I | 学生番号 | 学科 | 学年 | 組 | 番 | フリ ガナ |
評点 | ||||||||
氏名 | ||||||||||||||||
担当者 | DÜRST, Martin J. |
授業で扱った関係の四つの性質の有無の組み合わせの中で、不可能な組み合わせが存在する。その組み合わせと不可能な理由を述べなさい。
不可能な性質の組み合わせ (6 点)
対照的、反対照的、推移的でない
不可能の理由 (6 点)
対照的と反対照的というのは行列表現で対角線以外の場所は全部 0 であるという意味。 しかしそのような行列は自分と掛け算しても結果が変わらない、即ち推移的である。酔って上記の性質の組み合わせは不可能。
次の表の計算を行いなさい。結果は被演算子と同じ基数を使って書きなさい。
番号 | 計算の基数 | 第一被演算子 | 演算子 | 第二被演算子 | 計算結果 |
---|---|---|---|---|---|
例 | 7 | 2321034 | + | 3335034 | 5656101 |
2 | 101100010001 | + | 101100110001 | 1011001000010 | |
5 | 1234321 | + | 4102014 | 10341340 | |
16 | 97531F | + | A8642F | 13FB74E | |
10 | 1983826379 | mod | 9 | 2 | |
16 | FBCEA875 | mod | F | 7 | |
10 | 2277349805 | mod | 99 | 38 |
下記表の空欄を埋めながら論理演算の吸収律を吸収律以外の論理演算の性質から証明しなさい。(8 点)
--- | A ∧ (A∨B) = A の証明 | A ∨ A∧B = A の証明 | 使用する性質の名前 |
---|---|---|---|
出発点 (左辺) | A ∧ (A∨B) | A ∨ A∧B | ------ |
真偽の性質 | |||
--- | (A∨F) ∧ (A∨B) | A∧T ∨ A∧B | |
分配率 | |||
--- | A ∨ F∧B | A∧ (T∨B) | |
真偽の性質 | |||
--- | A ∨ F | A ∧ T | |
真偽の性質 | |||
到着点 (右辺) | A | A | |
------ |
二つの吸収律の証明には共通点がある。その理由を説明しなさい。(4 点)
双対原理を使っている。双対原理というのは、ある論理演算の性質で「∧」と「∨」、それに「T」と「F」を入れ替えることで「双対な」性質が作れるていうことである。
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下記の表に論理式 (G→H)∨¬K∧H の計算の途中経過と結果を記入しなさい。
G | H | K | G→H |
¬K | ¬K∧H |
(G→H)∨¬K∧H |
F | F | F | T | T |
F |
T |
F | F | T | T | F |
F |
T |
F | T | F | T | T |
T |
T |
F | T | T | T | F |
F |
T |
T | F | F | F | T |
F |
F |
T | F | T | F | F |
F |
F |
T | T | F | T | T |
T |
T |
T | T | T | T | F |
F |
T |
二つの論理変数の関数の中で、NAND と NOR は「万能」、即ちその関数一つだけで他の論理関数全てが作れる、ということがよく知られている。 T や F も引数として許す場合、更に「万能」な論理関数が増える。
論理関数 BAN3(A, B) = A∧¬B がなぜ「万能」であるかを説明しなさい。(6 点)
なぜなら、∧、∨、¬ では全ての論理関数が作られるが、
BAN3(T,A) で ¬、BAN3(A,¬B) で ∧、更にでモーガンの法則を使えば
∨ も BAN3 で作られ、そこからすべての二変数の論理関数が作られる。
論理関数 f(A, B) がそれぞれ F, T, A, B, ¬A, ¬B, A∨B, A∧B の八つの場合、なぜ万能でないかをそれぞれ説明しなさい。(8 点)
F と T の場合、引数の値に依存しなくて、一つの結果しか作れない。
A, B, ¬A と ¬B の場合、一つの引数にしか依存しなくて、
二つの引数に依存する関数が作れない。
A∨B と A∧B はいくら組み合わせてもそれぞれ「入力が全部偽だけのとき偽」、
「入力が全て新の真だけ真」なので、否定が作れない。
XOR(A, B) は万能なのかどうかを明記の上、その理由を証明しなさい。(10 点)
XOR は万能ではありません。なぜなら、先ず
第一段階で XOR 演算一つ考える。XOR(T,T)=XOR(F,F)=XOR(A,A)=XOR(B,B)=F;
XOR(T,F)=XOR(F,T)=T; XOR(A,F)=XOR(F,A)=A, XOR(A,T)=XOR(T,A)=¬A (B で同様);
XOR(A,B)=XOR(B,A); この段階で追加されたものは ¬A と ¬B だけ。
第二段階で ¬A と ¬B も含め新たに作られる関数を考える。XOR(¬A,T), XOR(¬A,F),
XOR(¬A,A), XOR(¬A,¬A) と XOR(¬A,¬B) は新しい結果に至らないのは明らか。計算すると
XOR(¬A,B) は A↔B 又は ¬XOR(A,B) で書ける。この時点で二項論理関数の半分
(F, T, A, B, ¬A, ¬B, XOR, ↔) は XOR で表せるが、
それをいくら組み合わせてもそのほかの論理関数が表せないことが分かる
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次の表の基数変換を行いなさい。
番号 | a の基数 | a | b の基数 | b |
---|---|---|---|---|
例 | 2 | 10111100 | 16 | BC |
2 | 11111010 | 10 | 250 | |
10 | 204 | 3 | ||
5 | 1342 | 10 | 222 | |
6 | 321 | 7 | 232 | |
4 | 3013033133 | 2 | 11000111001111011111 | |
2 | 100010011110111101100 | 8 | ||
9 | 717048 | 3 | 210121001122 | |
32 | CDEFG | 16 | C6B9F0 |
次の情報数学関連の英語の用語に相当する日本語の用語を書いて、簡単に説明しなさい。単にカタカナ表記にするのは避けること。
情報テクノロジーにおいて、三つの証明の応用を列挙しなさい。
データ構造の性質の証明
アルゴリズムの正しさや性質の証明
プログラムの変更の正しさの証明
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G = {2, 3, 5, 7, 11} 内の関係 R で、x Ry が次の三つの条件:
のいずれかを満たすと真になる。R を下記の五つの表現形式で書きなさい。
順序対の集合 (外延的記法): {(2,3), (2,5), (2,7), (2,11), (3,2), (3,11), (5,2), (7,2), (7,3), (11,2), (11,3), (11,5)}
順序対の集合 (内包的記法): {(x,y) | x∊C ∧ y∊C ∧ (x>2y ∨ 3x≤y ∨ (x+y) mod 2 = 1)}
行列 | グラフ | 表 | |||||||||||||||||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
0 1 1 1 1 1 0 0 0 1 1 0 0 0 0 1 1 0 0 0 1 1 1 0 0 [大きい丸括弧省略] |
|
¬(∃x: P(x) → ∀y: ¬Q(y)) を途中経過を見せながら単純化しなさい。(6 点)
¬(∃x: P(x) → ∀y: ¬Q(y)) =
¬(¬∃x: P(x) ∨ ∀y: ¬Q(y)) =
¬¬∃x: P(x) ∧ ¬∀y: ¬Q(y) =
¬¬∃x: P(x) ∧ ∃y: ¬¬Q(y) =
∃x: P(x) ∧ ∃y: Q(y)
上記の単純化の最初と最後の具体例を考えて、説明しなさい。 (6 点)
P(x) は「x に雨が降る」で、Q(y) は「y に雪が降る」とする。
そうすると最初のところは「あるところに雨が降るならばどこにも
雪が降らない、のが間違っている」ということである。最後のは「あるところに
雨が降るかつある (違うかもしれない) ところに雪が降る」ということです。
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合同式の一つの性質、a≡b ⇒ an≡bn (mod m) をもう一つの合同式の性質、a≡b ∧ c≡d ⇒ ac≡bd (mod m) を使って、 n≥0 の場合に証明しなさい。 m 以外の法を使わないならば、証明中「(mod m)」を省略してよい。
数学的帰納法を使って証明する:
基底: n=0 の場合、 a≡b ⇒
a0≡b0 は a0=b0=1 のため明らか。
帰納: a≡b ⇒
ak≡bk を前提として、
a≡b ⇒
ak+1≡bk+1 を証明しないといけない。
そこで c=ak、d=bk にすると、
もともとの a≡b かつ前提から c=ak ≡ bk=d から
ak+1=aak=ac ≡
bd=bbk=bk+1
それによって帰納が証明され、a≡b ⇒ an≡bnの証明が完了。
次の論理式の標準形の名称を記述の上、もう一つの標準形に変換しなさい。
¬A∧¬B ∨ A∧B (3 点)
名称: 加法標準形 [又は選言標準形]
もう一つの標準形: (A∨¬B) ∧ (¬A∨B)
(A∨¬B∨C) ∧ (A∨¬B∨¬C) ∧ (¬A∨¬B∨¬C) (6 点)
名称: 乗法標準形 [又は連言標準形]
もう一つの標準形 (*): ¬A∧¬B∧¬C ∨ ¬A∧¬B∧C ∨ A∧¬B∧¬C ∨ A∧¬B∧C ∨ A∧B∧¬C
(*) の標準形を単純化しなさい。 (3 点)
¬B ∨ A∧B∧¬C
次の論理式に相当する回路の図を書きなさい。
XOR(A, B) ∧ C | NAND(C, D, ¬E) ∨ C |
---|---|
[図省略] | [図省略] |