情報数学 I
第十二回: 合同算術 (2011年 1月
7日)
Martin J. Dürst
http://www.sw.it.aoyama.ac.jp/2010/Math1/lecture12.html
© 2006-11 Martin
J. Dürst 青山学院大学
今日の予定
- これからの予定
- 前回の復習
- 合同算術
- (証明の方法)
- 授業改善のための学生アンケート
これからの予定
- 1月14日 (金): 13回目の授業 (補講)
- 1月19日 (水曜日) 14回目の授業
(補講)
- 1月21日: 期末試験 11:10-12:35 (85分間)
期末試験
- 試験範囲:
- 授業・プリントの全ての内容
- 問題の種類:
- ミニテストと同様やそれに似た形式
- 過去の試験の例: 2005年度,
2006年度,
2007年度、2008年度 (解答例一部欠落)
- 閲覧には Opera を推奨
図と解答例の一部は欠落
解答例は「表示」→「スタイル」→「solutions」で表示可能
- 注意点:
- 問題をよく読む (計算、証明、説明などの区別)
- 概念の定義を自分の言葉でおさえる
- 計算のところ (n 進法、真理表など)
をスピードを意識して練習
- 綺麗な字で書く
前回の復習
- 記号論理の種類: 命題論理、述語論理など
- 述語は命題と違って、引数を取る
- 述語では命題より一般的な記述、推論が可能
- 全称限量子 (∀) と存在限量子 (∃)
量記号の復習
量記号の場合の注意点:
- 全集合の把握
- 書き方 (コロン、括弧など)
- 使用する述語の定義
- 自由変数の存在
量記号の性質の具体例
- ∀x: P(x) ∧ ∀x: R(x) =
∀x: (P(x) ∧ R(x))
例:
全ての学生において、30歳以下である、かつ全ての学生において、理工学部在籍である
=
全ての学生において、30歳以下かつ理工学部在籍である
- ∀x: P(x) ∨ ∀x: R(x) →
∀x: (P(x) ∨ R(x))
左から右への例:
全ての学生において、30歳以上である、又は全ての学生において、理工学部在籍である
→
全ての学生において、30歳以上又は理工学部在籍である
右から左への反例:
全ての学生において、男性である又は女性である
しかし、全ての学生が男性である、又は全ての学生が女性であるが偽
- ∃x: P(x) ∨ ∃x: R(x) =
∃x: (P(x) ∨ R(x))
例:
ある学生において、東京都出身である、又はある学生において神奈川県出身である
=
ある学生において、東京都出身である又は神奈川県出身である
- ∃x: P(x) ∧ ∃x: R(x) ←
∃x: (P(x) ∧ R(x))
右から左への例:
ある学生において、広島県出身であるかつ女性である
→
ある学生において、広島県出身である、かつある学生において、女性である
左から右へな反例:
ある学生において、北海道出身であるかつある学生において女性である
ある学生において北海道出身であるかつ女性であるとは限らない
合同算術
(modular arithmetic)
合同関係
- 各法 n は ℤ において合同関係を作る
- 合同関係は同値関係
- 同値類は合同類 (congruence class) 又は剰余類 (residue class)
と呼ぶ
- 一般に合同類の代表 k は 0 ≦ k <
n のようにとる
- 代表は剰余演算の結果 (注:
負の数の場合に、定義による)
合同式の性質
合同式と情報テクノロジー
証明の大切さ
- 数学の中心的道具
- 情報テクノロジー
- データ構造の性質の証明
- アルゴリズムの正しさや性質の証明
- プログラムの正しさや性質の証明
- プログラムの変換の正しさの証明
どこまで証明すればよいか
証明の方法
- 演繹的証明 (deductive proof, proof
by deduction)
- 帰納的証明 (inductive proof, proof by induction)
- 背理法 (proof by contradiction)
- 反例による証明 (proof by counterexample)
- 集合についての証明 (proof about sets)
- 列挙による「証明」(proof by enumeration)
証明と記号論理
- 演繹的証明: (H ∧ (H→C)) ⇒
C など
- 帰納的証明: (S(b) ∧ ∀n≥b:
S(n)→S(n+1)) ⇒ ∀n≥b:
S(n)
- 背理法: (S→¬S) ⇒ ¬S
- 反例による証明: ∃x: ¬P (x) ⇒ ¬∀x: P(x)
- 列挙による「証明」: 例: 真理表
授業改善のための学生アンケート
お願い:
できるだけ自由記述を使って、具体的に書いてください