言語理論とコンパイラ

第十二回: 中間表現、意味解析

2013 年 7 月 5 日

http://www.sw.it.aoyama.ac.jp/2013/Compiler/lecture12.html

Martin J. Dürst

AGU

© 2005-13 Martin J. Dürst 青山学院大学

今日の予定

前回のまとめ

 

これからの予定

 

過去問とその活用方法

 

宿題のヒント

 

コンパイラの段階

字句解析 (lexical analysis)

構文解析 (parsing; syntax analysis)

意味解析 (semantic analysis)

最適化 (optimization)

コード生成 (code generation)

中間表現: 名前表

(symbol table)

名前表が扱うデータ

中間表現: 構文木

簡単なプログラム言語と簡単なマシーン・アーキテクチャの場合 (例えば Pascal からスタック・マシーン) には構文解析しながらコード生成を行う (構文木を生成しない) こともある

構文木の生成: 構文規則ごとの処理で生成。例:

expression: expression '+' term { $$ = $1 + $3; }

を次に変える:

expression: expression '+' term
{ $$ = newnode(PLUS, $1, $3); }

(YYSTYPE も変更)

構文木では二分木が多いが、関数の引数などに特別な措置が必要

意味解析

(semantic analysis)

型の等価

(type equivalence)

型が同じかどうか複数の定義がある:

C の例: type-equivalence.c (コンパイル可能か)

型の等価: Haskell の例

 

超単純アセンブリ言語

命令の種類
命令 被演算子 説明 (コメント)
LOAD R1, a メモリの変数 a の値をレジスタ R1 に代入
STORE a, R1 レジスタ R1 の値をメモリの変数 a に代入
CONST R1, 5 レジスタ R1 に 5 の定数を代入
JUMP label 無条件に label へジャンプ
JUMP< R1, label レジスタ R1 が 0 より小さい時 label へジャンプ (JUMP>=, JUMP!= などは同様)
ADD R1, R2, R3 R2 と R3 を足して R1 に代入。同じレジスタを何回使ってもよい。同様に SUB、MUL、DIV がある。

 

構文木からのコード生成