情報数学 I
第十三回: 復習
Martin J. Dürst
duerst@it.aoyama.ac.jp
O 棟 529号室
テュールスト マーティン ヤコブ
http://www.sw.it.aoyama.ac.jp/2005/Math%20I/lecture12.html
© 2005 Martin
J. Dürst 青山学院大学
今日の予定
- 期末試験について
- 数学的帰納法の復習
- 関係の種類の復習
- ブール代数の復習
- 量記号の復習
期末試験
- 日付:
- 2006年 1月27日 (金曜日)
- 時間:
- 11:10-12:35 (85分間)
- 試験範囲:
- 授業全体。授業で習ってないことは含まない。
- 問題の種類:
- ミニテストと同様やそれに似た形。
先週の宿題
次の証明のどこがおかしいのかを見つけてください。
- 全てお互いに平行ではない平面上の直線 n
本は全て一つの点を共通する。
証明:
- 基底: n=1 と n=2
の場合に明らかである。
- 帰納: n+1 本の場合、最初の n
本にも、最後の n
本にも共通点があるので全ての n+1
本に共通点がある。
正解: 基底は n=2 まで成り立つが、帰納は
n=3 からしか有効ではない。
数学的帰納法の応用例
次の式を考えよう:
1 = 1
3 + 5 = 8
7 + 9 + 11 = 27
13 + 15 + 17 + 19 = 64
21 + 23 + 25 + 27 + 29 = 125
この式に秘めている法則を仮説として明確にして、数学的帰納法で証明して下さい。
関係の種類の復習
関係の種類
全てある集合 A の中の関係
R
- 反射的 (reflexive): 全ての x∈A
に対して、x は自分と関係がある。
- 対称的 (symmetric): 全ての x,
y∈A に対して、x から
y の関係があれば y から x
の関係もある。
- 推移的 (transitive): R = R∘R;
R を自分と合成しても変わらない。
- 反対称的 (asymmetric): x から y
の関係とy から x
の関係が両方存在するとx と y
が同じ。x と y が同じでない場合、x と
y の間の関係は両方向には存在しない。
種類の組み合わせの例
ブール代数の復習
ブール代数の定義
|
集合 |
ビット毎演算 |
|
|
B |
n の元を含む集合のベキ集合 |
n ビットのビット列 |
お互いに素の整数 n
個とその全ての組み合わせの積からなる集合とその間で「割れる」と言う関係で定義された半順序 |
n 次元の立方体の頂点 |
0 |
空集合 |
全て 0 のビット列 |
1 |
原点の頂点 |
1 |
全集合 |
全て 1 のビット列 |
全てのお互いに素の数の積 |
単位点の頂点 |
¬ |
補集合 |
ビット毎否定 |
1 をその数で割ったもの |
真反対の頂点 |
∧ |
積集合 |
ビット毎論理積 |
二つの数の最大公約数 |
|
∨ |
和集合 |
ビット毎論理和 |
二つの数の最小公倍数 |
|
量記号の復習
量記号の定義
量記号の場合の注意点:
- 全集合の把握
- 書き方 (コロン、括弧など)
- 使用する述語の定義
- 自由変数の存在