本システムは,以下の3つのステップにより構成されています。
1.理工系論文の基本ルールに沿って書かれているかどうかをチェック
2.わかりにくい文を修正
3.全体をチェック
最初は細かいミスを修正するところから始め,徐々に視野を広げて修正していきます。
(1) 左のテキストボックスに文章を入力
(2) ボタンを押す
(3) 右のテキストボックスに指摘箇所が赤く表示されて出力される
(4) 赤い部分にカーソルを合わせると指摘内容が表示される
(5) 入力文章を修正する → (2)へ
(6) 「わかりにくい文」と判定されたものについてはボタンが出現する → 2へ
注)原則として,できる限り修正の指示に従ってください。ただし,指示が明らかに不適切だと感じる場合は従わなくて構いません。
注)文書全体を可視化したあとは,ブラウザを更新しないと基本ルールチェックができません。
・読点
今まで読点として「、」を使ってきたと思います。
しかし,実は科学技術論文では全角カンマ「,」を使うルールになっています。
・連用形
「AであるのでBである」「AであればBである」という表現であればAとBの(理由,仮定といった)関係が明確です。
それに対し,「Aであり,Bである」のように連用形で文章をつなぐと,AとBの論理的関係があいまいになります。
しかも連用形を用いて「・・・であり,・・・し,・・・され,・・・」と1つの文をいつまでも続けていくことができます。
これでは,なおさら文がわかりにくくなります。
よってできる限り連用形でつなぐのは避けます。
1つの文に1回までにしましょう。
・接続助詞「が」
これも連用形同様に「・・・が,・・・が,・・・」といくらでも続けられます。
しかも,「が」とか「けど」には逆接の働きの他に,話題を変える働きもあります。
これが読み手の混乱のもとになります。
よって基本的に「が」で文をつなぐことはしない,というのが賢明です。
いったん文を切りましょう。
逆接なら「しかし」「しかしながら」「それにもかかわらず」で次の文を始めます。
「しかし」「にもかかわらず」で言い換えるとヘンな「が」の場合は,単に話題が転換しているだけなので,「ところで」「一方」「また」などでつなぎかえればよいでしょう。
ボタンをクリックすると,以下のような図が出力されます。
左から右に向かって図を追ってみてください。
黒い矢印は修飾-被修飾関係,赤い矢印は主語-述語関係です。
使用した文は,「金色の雨が五月の明るい太陽の下で輝く若葉に降りそそいだ。」です。
この図では「雨が輝く」になっています。しかし,元の文は「雨が降りそそいだ」という意図だと思われます。つまりコンピュータに間違った解釈をされてしまったわけです。本来は以下のような図になるはずです。
ずいぶん「が」の矢印が長くなりました。矢印が長いと文章はわかりにくくなります。
そこで「五月の明るい太陽の下で輝く若葉に金色の雨が降りそそいだ。」と修正すると・・・。
全体的に矢印が短くなりましたね。「雨が降りそそぐ」「五月の明るい太陽」の解釈も正しくなりました。
このように,語順を変更したり,文章を分割したり,言い回しを変えたりして,矢印が短く&正しくなるようにしてください。
水色の語は動詞です。1つの文章に水色の語が多すぎませんか?
赤い矢印でつながれた四角いノードの語は,主語と述語です。
・主語がない場合
日本語は主語を省略することができます。
しかし,主語の省略は文章をわかりにくくする要因になります。
特に,直前の文と主語が変わる場合には,主語は省略しない方がよいでしょう。
・主語や述語が意図したとおりになっていない場合
(1)で述べたとおり,語順を変更したり,文章を分割したり,言い回しを変えたりして,矢印が正しくなるようにしてください。
・主語と述語の間にたくさんの語が詰まっている場合
(1)で述べたとおり,語順を変更したり,文章を分割したり,言い回しを変えたりして,矢印が短くなるようにしてください。
ボタンをクリックしてください。
文書全体のあらすじが図として表示されます。
筋がとおっているかどうか,確認を行ってください。
特に,接続詞(黄色いノード)に着目してください。
論理の飛躍,接続詞の不足などはありませんか?